消費税や「桜を見る会」、ビーガン(絶対菜食主義)についての質問の後、別の男性が「国の借金」について尋ねた。
「テレビを見て消費税増税は仕方のないことだと思っていたが、うそだったと知った」とお金の仕組みについて解説を求めるとともに、
最近、周りで2人が自殺したことを打ち明け、「間違えた政府がつくった貧困なんかで、生きることをあきらめないで」と訴えた。

山本氏は毎年2万人超が自殺、50万人超が自殺未遂する状況に触れ、「この地獄のような世の中をつくったのは政治」と向ける一方、
「テレビにとっては企業が神様。メディアから知り得ないことの筆頭は、お金の在り方」と切り出した。

GDPを増やすには個人消費を喚起することが最重要だとして、消費税廃止で26兆円の財政出動と同じ効果が出ると主張。
財源について「本当にお金がないのか。1000兆円の借金があり、国民1人あたり900兆円を背負っているって本当か」と問題提起した。

「誰かが銀行からお金を借りる際に、貸し出しというかたちで『銀行預金』が生まれる」と、信用貨幣論の原理を紹介。「借金をしないなら、お金が生まれてこない」と断じた。

「次のうち、お金をつくるのはどこでしょう。(1)財務省、(2)日本銀行、(3)民間銀行」とクイズを出す。「いずれも正解です」と、
お金すなわち貨幣の8割強を占める(3)民間銀行による信用創造の仕組みを解説した。「銀行にお金を返すとその分、預金が消える。政府の借金を返したらどうなる。
世界中からお金が消える」と、プライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化のばからしさを告発した。

「銀行は、人々から集めた預金を元手に貸し出しを行っているのではない。貸し出しによって、預金という貨幣が創造される」とのイングランド銀行の説明を引用。
さらなる証拠として、10月23日の衆議院内閣委員会での自民党・安藤裕(あんどう・ひろし)議員と日銀企画局審議役・藤田研二氏とのやり取りを紹介した。

民間銀行から誰かが借金した分だけ預金総額が増え、返済すると預金が消滅するとの認識に日銀側が同意した後、安藤氏は国債発行にも同じことがいえることを確認。
「国債が償還を迎えて発行残高が減少する場合、マネーの減少につながります」との答弁を引き出している。

山本氏は「政府が借金をして、そのお金をみんなに財政出動すれば、みんなにとってこれは赤字ではなく黒字」と述べ、
日銀資金循環統計をグラフ化した「日本の政府と民間の収支バランス(1980−2016年度)」を提示。
「国債を買うお金はみんなの預金から借りてるんじゃない。銀行は日銀にある日銀当座預金を使って国債を購入している」と強調した。

消費税廃止による税収減をすべて新規国債で賄ってもインフレ率はピークの3年目でも1.67%にしかならない一方、20年以上続くデフレで皆が貧乏にされていることを挙げ、
「負の遺産とはこのこと。何、寝言を言っている」と政府の財政政策を批判。
「もっとお金を出さなあかん。お金を出さなかったばっかりに、この国に生きる57.7%が生活の苦しい状況に追いやられて。あまりにあり得ない。構造上の問題」と指摘し、
メディアを通じて財務省に洗脳された国民に覚醒を求めた。

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