https://www.j-cast.com/2019/06/02359012.html?p=all

これはよく知られたことだが、太平洋戦争の1年ほど前に陸軍省戦備課長の岡田菊三郎が、東條英機陸相の命令で日米戦力比較の資料を作成している。その報告書は1941(昭和16)年1月にまとめられて、東條の手元に届いた。
その報告書の冒頭には、もし日米戦争になったなら長期戦などは考えられない、開戦3年目には石炭搬出が難しく、全生産がマヒ状態に陥るとの結論が書かれていた。この報告書を東條は陸軍省、参謀本部の上層部にしか見せていない。
この報告書が、政策決定に影響を与えることを恐れたのである。国力がアメリカと戦えないことは陸軍の上層部は、内部資料で知っていたのである。

この報告書に目を通した時の東條の様子について、秘書官の直話によるなら、「アメリカには国の芯がない。我が国には三千年に及ぶ国体がある」と豪語したそうである。
つまり真面目に戦力不利の資料を精神論でカバーしようとしていたのである。

検証 戦争責任 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/special/70yrs/main/honsho_2_11.html