新型コロナウイルスワクチンの3回目の追加接種が1日午前、国内各地で始まり、東京都内の医療機関での接種の様子が報道陣に公開された。時間の経過とともに低下するワクチンの効果を再び高めるのが狙いで、2回の接種完了から原則8カ月経過した18歳以上が対象。世界的な広がりを見せる新たな変異株「オミクロン株」への有効性が不明な中での始動となった。

 追加接種が先行する欧米では、2回目の接種から6カ月をめどに3回目接種を進める国が多く、オミクロン株の確認を受けて英国が6カ月間隔から3カ月間隔に短縮するなど前倒しの動きもある。一方、実用化されているワクチンがオミクロン株にどの程度効果があるかは現時点で分かっておらず、製薬企業や各国当局が解析を進める。

 政府は、自治体の接種体制やワクチンの供給ペースとの兼ね合いから「原則8カ月後」と設定。しかし、感染状況やワクチン効果を巡る今後の展開次第では、接種間隔の見直しを求める声が強まる可能性もある。

 政府は3回目の追加接種用として米ファイザー社と1億2000万回分、米モデルナ社と5000万回分の調達契約を結んでいる。当面は3回目接種が承認されたファイザー社製を使用。モデルナ社製も月内に審査し、来年2月からの使用開始を見込む。2回目までのワクチンの種類にかかわらず、3回目は2社製いずれも使用可能とする。

 首相官邸によると、11月30日時点で2回接種を終えた人は約9700万人。3回目接種の接種対象者は12月中は医療従事者に限られるが、来年1月から高齢者と一般、3月からは職域接種と順次拡大。1巡目の接種記録を踏まえると、3回目接種が集中するのは来年3〜4月で、1カ月当たり2000万人余りが新たに追加接種の対象となる見通し。3回目接種について政府は来年9月末まで無料で受けられる期間と定めている。【横田愛】https://news.biglobe.ne.jp/domestic/1201/mai_211201_6024412172.html