堀江貴文(Takafumi Horie)
2021年12月12日 15:28 フォローする

\300
 新しいものを普及させるには時間がかかる。多くの人間は、初めて見たものを受け入れない。粘り強く普及活動をして、何年もかかってやっと受け入れられたりするものだ。
 日本式焼肉は、サーロインやリブロース、テンダーロインなどのステーキ肉ではない筋肉と筋が複雑に絡み合ったゴミとして捨てられる肉を美味しく食べるために戦後確立された技法。ルーツは韓国式の焼肉とマグロの解体手法にあるのだと思う。

 研ぎ澄まされた包丁で器用に筋と筋肉に沿って細かく切り分けていくマグロの解体の技法を、プライムでない牛肉部位の解体に応用した。焼き肉のさまざまなカットはそうやって生み出された。
 それを炭火で焼いて食べるのは至高の贅沢であり、最近では世界中に広まった。そして無煙ロースターなども登場するが、垂れた油を炭や鉄板がモクモクの煙に変えていくのは変わらず、焼肉店には大規模な排煙設備が必須だし、その日着た服はすぐに洗濯しないといけなくなる。