余談はさておき、ここで書かなければならないのは、『ミュウツーの逆襲』のクライマックスのことである。
自己存在を賭けた本物のポケモンとコピーのポケモンの戦いが始まる。
そのバトルを目の当たりにして、ポケモントレーナーは言葉もない。
ただ、呆然と見ているしかない。
ポケモンとコピーポケモンのバトルは、ゲームでも競技でもない、ポケモンと呼ばれる存在同士の戦いで、
人間であるポケモントレーナーの意思の通じない戦いだからだ。

このシーンを、僕はその場に居合わせたそれぞれのキャラクターの気持ちになって一気に書いた覚えがあるが、
後でそのシーンを見直してみると、かなりキャラクターの色分けがはっきり出ている気がする。
ミュウは、自分のコピーであるミュウツーを無邪気そうに見えながらせせら笑っているのだ。
だが、無邪気そうだが、コピーであるミュウツーには負けられない。
負けてはならない本物のポケモンである自負がある。
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シナリオえーだば創作術 誰でもできる脚本家 首藤剛志
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