重装歩兵が、左手に円形の大盾を、右手に槍を装備し、露出した右半身を右隣の兵士の盾に隠して通例8列縦深程度、
特に打撃力を必要とする場合はその倍の横隊を構成した。戦闘経験の少ない若い兵を中央部に配置し、
古兵を最前列と最後列に配したが、右半身が露出することから、特に最右翼列に精強兵が配置された。
同等な横幅をもつ敵と対峙して前進する際、これらの兵士は盾のない右側面を敵に囲まれまいとして右へ右へと斜行し、
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火器のない時代にこれやられたらどうやって勝つんだ・・・


隊列全体がそれにつれて右にずれる傾向があった。攻撃の際は横隊が崩れないように笛の音に合わせて歩調をとりながら前進した。
戦闘に入ると100人前後の集団が密集して陣を固め、盾の上から槍を突き出して攻撃した。前の者が倒れると後方の者が進み出て交代し、
また、後方の者が槍の角度を変更することで敵の矢や投げ槍を払い除けることも可能で、戦闘状況に柔軟に対応できる隊形でもあった。
逆に部隊全体の機動性は全くなく、開けたような場所でないと真価を発揮しない。また、正面以外からの攻撃には脆い。

基本的にファランクスは激突正面に衝撃力と殺傷力を保持していたため、一旦乱戦になると転回機動は難しく、機動力を使った戦術としては用をなさなかった。
時代が下ると、会戦において数的劣勢にあった側はファランクスに改良を加え、戦力を補完した。
テーバイの将軍エパメイノンダスが使用した斜型密集隊形はロクセ・ファランクス(loxe phalanx, 斜線陣)と呼ばれ、
レウクトラの戦いにて、勇名を轟かせたスパルタ軍を数で劣勢にあったにもかかわらず打ち負かした。

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