日本維新の会。本拠地・大阪では全勝して15議席を独占するなど、同地区で比例復活のわずか3議席に留まった自民党とは明暗がくっきり分かれた形となった

だが、当の文章交通費問題の波が派生して、党内で小さくないわだかまりが出来ている、という声も聞こえてくる。
ある党本部の職員は「与野党問わず噛み付く最近の橋下さんの過激な発言は、さすがに看過できない。いつ党にブーメランが返ってくるか……」と本音を漏らす。

橋下氏は文書交通費問題について一貫して「メスを入れるべき。実費での支給をすべきだ」と明確な指針を打ち出している。11月中旬に出演したテレビ番組では、

「維新は(使い道を)公開しているからけど、おカネが余ったら戻すってのももう一つ重要じゃないですか?でも、維新は中身は公開するけど、戻さないんです。どこに戻すかと言ったら自分の政治団体に入れちゃう」

などと発言している

実際にアクションを起こす議員も現れた。足立康史衆議院議員が、橋下氏に対してツイッター上で舌戦を展開し、ネット上でも盛り上がりを見せている。

日本維新の会に所属する議員が明かす。

「もともと維新の会は、政治改革を掲げ支持を得てきました。ただ母体が大きくなったため、現在の党内には様々な意見が生まれるようになった。橋下氏への距離感も同様で、
特に当選一期目の議員の中では、『国政の経験のない橋下さんがなぜこの問題に首を突っ込んでくるのか。世間ではいまだに橋下さんの意見=維新の会の総意、という捉える人も少なくない。その発言の飛び火がこちらにもまわってくる』と訝がる者もいます」

「橋下さんが出しゃばりすぎだ、いう声も松井代表、吉村知事、馬場伸幸共同代表などを含めた党幹部と結構な頻度で会食し、アドバイザー的に意見を求められることもあるそうです。
しかし、それをよく思わない議員もいる。今回の党内人事に関しても、吉村さんと関係が深い藤田文武さんを幹事長として登用するなどこれについてもネガティブな意見があります」

「さらに言えば『そろそろ橋下さんの影響力頼みの状態から脱却すべきだ』という意見も少なくない党内闘争の一歩手前というような状態…という危惧もあるのです」(同前)

早々と伊東信久議員のマルチ商法業者スキャンダルが週刊文春で報じられるなど、リスク管理に不安を感じるという声も上がっている。先出の議員は今後の維新の会の未来のためにも「しっかりとした身辺調査は必要だ」と警鐘を鳴らす。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f9705f5dda71c94c9333ab06787f60462937d295