2022年01月09日 22時00分 メモ
ナイフ製造における当たり前を覆したナイフ界の革命児「MagnaCut」を冶金学者が作るまで

ナイフにはステンレスやバナジウム、炭化クロムなどのさまざまな物質が使用されており、その含有量の違いにより耐久性が大きく変化します。物質の含有量やナイフの製法に関して研究を重ね、2021年に「MagnaCut」というナイフを発売したラリン・トーマス氏が、開発の歴史を語っています。

トーマス氏はコロラド鉱山大学で冶金(やきん)および材料工学の博士号を取得した冶金学者。普段は自動車産業向けの鋼の専門的な開発に取り組んでいますが、ナイフに使用されている鋼にも幼少期から個人的な興味を寄せてきたとのこと。

トーマス氏が発見した組み合わせは、既存の鋼よりも優れた特性を持っていました。例えば炭化物のサイズについては、一般的なステンレス鋼や、炭化物のサイズが小さい非ステンレス鋼よりも微細になっているとのこと。このことは靱性が優れているということを意味します。
また、耐食性につながるクロムの除去にも成功し、耐食性・靱性・硬度・研磨性に優れた鋼に仕上がっているとのこと。このほか製造における熱処理にも研究が重ねられ、より耐食性や高度に優れた処理温度および処理時間が導き出されています。

その切れ味についても十分であり、MagnaCutの試作品を使用した専門家が切れ味を試している様子は以下の動画で確認できます。
https://gigazine.net/news/20220109-cpm-magnacut/
https://i.imgur.com/E9NkLfW.jpg