築20年近くになる、とあるマンションでは、定期総会で修繕積立金を30%値上げすることを決議しました。
一方、駐車場の空きが増えて、管理費会計も赤字一歩手前に……! これ以上負担を増やしたくないと、管理組合からご相談がありました。

管理組合を悩ます「2つの値上げ」問題

マンションの管理組合は、一般的に「管理費会計」と「修繕積立金会計」という2つの財布を管理しています。
前者は、清掃や設備点検などの日常管理に必要な経費を賄うためのいわば「消費用の財布」、後者は将来の大規模修繕に使う資金を確保するための「貯蓄用の財布」です。
ほとんどの分譲マンションでは、新築時の修繕積立金が本来必要とされる金額の半分以下で設定されているのが実情です。
このため、経年的に積立金の改定を迫られ、新築当初の3〜4倍まで増額しなくてはならないケースが珍しくありません。
ところが、その値上げが修繕積立金だけにとどまらないマンションが増えつつあります。
その原因として多いのが「駐車場の空き問題」です。管理費会計の「第2の収益源」として、駐車場の使用料に依存しているマンションが少なくないなか、
昨今の車離れや高齢化などの影響で駐車場の稼働率が低下するにしたがい、収支も次第に苦しくなります。
この管理組合でも、駐車場のおよそ2割が空いてしまったためついに赤字スレスレの状況になっていました。
このまま問題を放置したら、修繕積立金だけでなく管理費も値上げの憂き目に……。こうした状況に危機感を覚えた管理組合の役員さんから、解決に向けて相談を受けることになったわけです。

https://suumo.jp/journal/2016/05/13/110768/