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加速する「四国新幹線」構想、カギ握る住民の支持
「四国だけ新幹線がない」嘆き、共感得られるか
https://toyokeizai.net/articles/-/505244?page=3

以下抜粋

JR各社は3月、例のない新幹線の大幅な減便・臨時列車化に踏み切る。新型コロナウイルス感染症に揺らぐビジネスモデルを象徴する決断だ。
逆風の中、それでも「2037年開業」の目標を掲げ、四国新幹線実現を目指す活動が根気強く進んでいる。

筆者は2021年12月、香川県の依頼で講演するために高松市を訪れた。現地では、「新幹線高松駅」の位置やイメージに踏み込んだ検討も始まっている。
過去の経験や成功事例を踏襲しづらい状況下、懐疑的な空気も漂う中で、地域政策としての新幹線建設をどう構想するか。
住民の支持と共感、さらには「新幹線は暮らしを守れるか」という視点がカギを握るように見える。

「どうしても呼び込みたい」

「四国新幹線をどうしても呼び込みたい。夢は大きく持っていきたい。
全国各地に出かけて、新幹線沿線の実情を見て見たい」。高松市議の北谷悌邦氏は語る。

「北陸新幹線が金沢から大阪、さらに南下して関空まで伸びた場合に、そこから西に海底トンネルでつなぎ、淡路島、本来は鉄道併用橋である大鳴門橋を経由して、
徳島、高松、松山、そして海底トンネルで大分までつなぐ『第二国土軸』を形成できるのでは」

地元に強いフラストレーション

岩崎課長の言葉どおり、四国島内の都市間移動は高速道路の存在感が大きい。
高速バスを使えば、高松から徳島は約1時間30分、高知は約2時間、松山は約2時間40分で到達できる。料金は2150円〜4100円だ。

さらに、高速バスが各地と主要都市を縦横に結び、高松からは、東は東京の新宿・八王子、西は福岡へ路線が広がる。
大阪までは最短3時間余り、正規運賃は4100円。通常ダイヤで1日約50往復、コロナ禍のダイヤでも25往復が運行されている。

一方の鉄路は旗色が悪い。
高速バスより割高なうえ、所要時間が長かったり、乗り換えが必要になったりする路線や時間帯がある。電化区間も予讃線など一部に限られる。

加えて、四国は日本の主要4島で唯一、新幹線が走っていない。構想も、着工の前提となる「整備計画」の手前の「基本計画」止まりだ。
四国の中心都市・高松に加え、人口51万人と四国最大の松山も、行政や経済界を中心にフラストレーションが強い。
高松市では「四国にだけ新幹線がないのはつらい」という嘆きにも接した。