金も銀も8種の貴金属全部混ぜた合金 白金の触媒はるかに超える力(朝日新聞デジタル)
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金も銀もプラチナ(白金)も、すべての貴金属を混ぜ合わせた合金を作ることに、京都大学や信州大学などの研究グループが世界で初めて成功した。従来の合金にはないパワーを秘めた素材になりそうだという。

貴金属は希少で腐食しにくい特徴があり、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムの8種類。

北川宏・京都大教授らのグループは、8種類の貴金属のイオンを溶かした液を作り、230度の有機溶媒に滴状にして徐々に加えた。高温の溶媒の中で、それぞれのイオンが一気に原子に戻って集まり、均一に混ざり合うという。この手法で、合金の超微粒子を作ることに成功した。

合金の使い道の一つが、水に電圧をかけて水素と酸素を発生させる際に、反応を促進する触媒だ。水素は燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さない次世代のエネルギーとして期待されており、効率的な反応を目指した研究が進む。

グループは2年前に、5種類の貴金属から作った合金の触媒反応を発表。現在一般的な白金触媒に比べて約2倍の反応効率だった。

ところが、今回の合金は、白金の10倍以上の反応効率だった。北川さんは、「活性が飛躍的に向上した」と話す。