ベラルーシ「中立国家」条文削除の承認確実…国民投票、露の核兵器配備可能に 
2022/02/28 07:27

 【モスクワ=田村雄】ウクライナに侵攻したロシアとの「共闘」を宣言しているベラルーシで27日、憲法改正の是非を問う国民投票が行われた。改憲案には「中立国家」と明記した条文を削除し、ロシアの核兵器の領内配備を可能にする内容が盛り込まれている。アレクサンドル・ルカシェンコ大統領の強権体制のもと、投票総数の過半数の賛成により承認されることが確実視されている。

 改憲案では、ベラルーシを「非核地帯」とし「中立国家」とうたっている現行憲法の条文を削除する。

 改憲により、1994年から大統領に君臨するルカシェンコ氏は、2035年までの続投が可能となるほか、外交や軍事の基本方針を決める最高機関のトップに就任することもできるようになる。

 ルカシェンコ氏に対しては、20年夏の大統領選での不正を巡り、辞任を求める大規模デモが起こった。政権側が抗議デモの参加者を大量に拘束するなど弾圧したため、欧州連合(EU)はルカシェンコ氏を制裁対象とした。今回の改憲について政権の延命を図るのが目的だと批判が起きている。

 改憲案はもともと大統領権限の強化を主眼にしていたが、安全保障に関する変更も加わった。米欧の経済制裁を受け、孤立を深めたルカシェンコ政権を支援したプーチン露大統領の意向が働いたとされている。

 ベラルーシは1999年にロシアとの間で「連合国家」を創設する条約を結んだ。昨年11月には、連合国家の「共通軍事ドクトリン」の改定を決めた。両国の安全保障分野での協力をさらに深めることが柱になっている。

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https://www.yomiuri.co.jp/world/20220228-OYT1T50009/