ウクライナ侵攻に関して、世界ではロシアを非難する声が圧倒的に大きい一方、中国のネットユーザーはほとんどが親露、親プーチンであり、戦争を支持している。


彼らはプーチン大統領のことを「プーチン・ザ・グレート」「旧ソ連の最高の遺産」、あるいは「今世紀最大の戦略家」と呼ぶ。彼らはまた、ウクライナ侵攻に反対の声を上げるロシア人たちを、「米国に洗脳されている」と厳しく非難する。

24日におこなわれたプーチンの演説は、中国のソーシャルメディア上で拍手喝采を受けた。多くの人々が、感動して涙が出たとコメントしたのだ。

「もし私がロシア人だったら、プーチンは私の信仰であり、光だ」。中国のSNS「微博(ウェイボー)」のあるユーザーはそう書いている。

中国の姿と重ね合わせて、涙
プーチン大統領はロシアについて、西側の政治やイデオロギー、軍事侵攻の被害者だと表現する。中国のソーシャルメディア上では、多くの人々がこれに深く共鳴した。プーチンのこうした表現は、米国とその同盟国が中国の台頭と同国による新たな世界秩序を恐れている、という中国の語り口とうまく調和しているのだ。

中国の愛国主義的なニュースサイトが翻訳したプーチンの開戦演説は、控えめに言ってもバイラル化した。ウェイボーのハッシュタグ「#putin10000wordsspeechfulltext」は、24時間で11億回閲覧された。

「これは開戦の模範的演説だ」と、あるユーザーはコメント。「なぜこの演説に涙がでるほど感動するのか? それはこの演説が、西側諸国が中国をどのように扱ってきたかを示してもいるからだ」。また別のユーザーはそう述べている。

中国の、このような若く愛国主義的なネットユーザーたちは、「リトル・ピンク」こと「小粉紅(シァオフェンホン:ピンクちゃん)」と呼ばれる。

彼らの多くは、ジャーナリストや西側との論戦を積極的におこなう、いわゆる「戦狼外交」をする外交官からヒントを得ている。こうした外交官の存在が、世界を中国対西洋、特に米国とのゼロサムゲームだとみなすオンライン戦士たちの世代を形成する一助となったのだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/09392b219cfb06c6e6b81965bb8ff7f52fc870da