誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる

「もし今、私たちの知らない遠く離れた地の誰も居ない森で、一本の木が倒れたとする。 その際に、その木は“音を出して”倒れたのか?」
ジョージ・バークリー(アイルランド国教会の主教で哲学者:1685〜1753)が、人々に投げかけました。
普通に考えれば、「木は“音を出して”倒れた」という答えでしょう。
だが、バークリー主教だけでなく、少なくない数の哲学者や心理学者は、この問いに対して「木は “音を出していない” 」と答えた。
キーワードは、「認知」という言葉です。 つまりは、「存在は、認知があって初めて成り立つ」ということだとバークリーは言うのです。
そして結論は「誰も居ない森では、倒れた木の音について、だれも認知することはできないから音を立てていない」になってしまう。
この話を聞いたあと、奥深い森の大きな木が音もなく倒れて行くイリュージョンを何度何度も繰り返して見ました。
似たような話に……
「誰も見ていない間は月は実在していない」
というのがあります。
これも満月の夜、視線を地面に落として、素早く天に向けてみて、一瞬でも月が消えていることはないか?とやってみましたが、月は消えることはなく中空に浮いていました。
この2つは「量子力学」誕生間もないころに出てきた議論です。
「量子」は、「誰も見ていなければ、どこにいるのか分からない。誰かが見たときに”そこ”にある」という厄介さです。
「量子力学のものすごさが解らないのは、量子力学を理解できないからだ」と言われてます。

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