新型コロナウイルスの感染拡大で深刻化し、自殺の背景になっているとも指摘される「孤独・孤立」の問題について、政府は8日、初の実態調査結果を公表した。4・5%の人が常に孤独感を抱えているとの結果で、年代別では30代が7・9%、20代が7・7%と高く、多くの若者が孤独感を覚えていることが明らかになった。

 調査結果によると、孤独感が「しばしばある・常にある」と回答したのは、年代別では20〜30代に続いて、40代が5・6%、50代は4・9%だった。一方、最も低かったのは70代で1・8%。男女別では男性が4・9%、女性が4・1%だった。

 孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた人が多かったのは、失業中の人や派遣社員、心身の健康状態が「良くない」と回答した人だった。また世帯年収が低いほど、割合が高くなる傾向がみられた。

 一方で、孤独だと感じることが「ほとんどない」は38・9%、「決してない」も23・7%に上った。

 調査では、他人との交流状況も尋ねた。別居している家族や友人と直接会って話すことが「全くない」と答えたのは11・2%に上り、コロナ禍で直接人と会ってコミュニケーションを取ることが「減った」としたのは67・6%だった。

 調査に関わった日本福祉大の斉藤雅茂教授(社会福祉学)は「孤独を感じている人が一定の規模に上ることがわかった。孤立はこれまで高齢者の問題と思われがちだったが、若い人でも深刻だった。詳細に分析して政策に反映させる必要がある」と話した。

 調査は2021年12月〜22年1月、16歳以上の2万人を対象に実施し、1万1867人が回答した。【村田拓也】
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