2度目のブレイクを果たし、盤石の地位を築いた後、某番組で有吉自身がこんな発言を残している。
「当時、僕の眼の奥が死んでるのを見破ったのは東野さんとナンシー関だけです」
これは、本当に凄いことなのだ。先見性にプラスして、当時のうるさ型による猿岩石への評価をカウンターする勇気がなければできない芸当である。

生前、“松本派”を自認していたナンシー関だが、彼女は有吉を以下のように評している。
「あんなに童顔なのに、どうしてふてぶてしさしか印象に残らないのか。ユーラシア大陸横断も、今となってドロンズや朋友(パンヤオ)と比べてみると、
特に有吉はひたむきさに欠けるというか(今思えば、であるが)没頭の度合いというか、体温というかが低い感じだった。
(中略)我々は有吉という人間を、間違えて解釈しようとしていたのかもしれない。有吉は何故かふてぶてしく見える、のではなく生来ふてぶてしいのだ」
「面白い/面白くない」のライン引きが今より格段にシビアであったダウンタウン全盛時に、このような文章を書くナンシーの軸のブレなさには脱帽である。

笑福亭鶴瓶&今田東野が司会を務める『いろもん』(日本テレビ系)に出演した猿岩石……というか有吉に異常な興味を示す東野の姿にも、脱帽。
「こいつはヒッチハイクで感動させるようなタマやないんですよ! それがずっと旅行してたから『おかしいな?』って思ってて、興味がごっつあったんですよ。
で、喋ってみたら案の定ね、同じ仲間やったから」(東野)
当時の状況からすると、単なる物好きと思われかねない振る舞い。現在の芸人論客ツートップとも言える東野と有吉は、実は20年近く前から惹かれ合っていた。

有吉は当時から“有吉弘行”であったのだが、それを見抜き、発信していたのは東野幸治とナンシー関だけである。
https://www.excite.co.jp/news/article/E1458615280651/?p=4