頑張る自分への「ご褒美」設定、本当に効果あるの? 心理カウンセラーに聞く
心理学の観点から、「自分へのご褒美」を決めることは実際に有効といえるのでしょうか。心理カウンセラーの小日向るり子さんに聞きました。
「自分にとっての快楽」がモチベーションに
Q.自分へのご褒美を決めて、やる気やモチベーションを上げる方法は、心理学的に効果があるといえますか。
小日向さん「基本的に効果はあると思います。『脳の報酬系』という言葉がありますが、これは簡単にいうと、人や動物に働く、快楽を感じると脳からドーパミンが分泌される脳内システムのことです。
個々によって快楽と感じるものは異なりますが、脳の報酬系システムは誰にでも働きます。従って、『◯◯の後に快楽がある』の“◯◯”をつらさや困難とし、その後に、『自分にとっての快楽』を設定しておけば、『また、あの快楽を味わいたい』という報酬系システムが働き、それが困難を乗り越えるモチベーションとなるのです」
Q.モチベーションを上げるためのご褒美は必要だと思われますか。それとも、不要でしょうか。
小日向さん「必要だと思います。アメリカの心理学者・経営学者のダグラス・マクレガー氏は、人間の動機付けに関わる理論として『X理論・Y理論』を提唱しました。
X理論は『人は元来、怠け者で仕事が嫌い。だから、強制されたり命令されたりしなければ仕事をしない』、Y理論は『人は目的ややりがいがあれば自発的に動く』という考え方です。どちらも人が併せ持つ感情ですが、生理的欲求と安全欲求が満たされている現代では、Y理論を上げていくことに注力する方が、充実した人生につながるといわれています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bdf07ead782ca85186491c09183cc7108fb74ea7