漫画「ゴールデンカムイ」連載終了 世界にアイヌ文化広めた8年


 15年6月、野球帽にリュックを背負った男性が、タクシーでふらりと工房を訪れた。聞くとアイヌが登場する漫画を描いていると言い、彼らの暮らしに欠かせない細かな文様の入った木彫のマキリ(小刀)を「作ってください」と依頼された。「サインを送ってくれたらね」と気さくに返すと、注文書に「野田サトル」のサインを書いて、立ち去った。

 後日、改めてサインを添えたイラストがすぐに届いた。貝澤さんがお返しに彫ったマキリは、ゴールデンカムイの登場人物の所持品として作中で描かれ、単行本の表紙にもなった。野田さんからは礼状が届き、その後は「同じ物を」と注文するファンが続いた。反響は大きかった。
https://mainichi.jp/articles/20220427/k00/00m/040/218000c