中国の習近平国家主席は5日、中国共産党の会議を開き、新型コロナウイルスを徹底して封じ込める「ゼロコロナ」政策について「一切揺るがずに堅持する。我が国の防疫方針を疑い、否定する一切の言動と断固として戦う」と述べた。

 上海市のロックダウン(都市封鎖)の長期化で市民から不満の声が高まっていることや、「コロナとの共存」にかじを切る国が増えていることが念頭にあるとみられる。

 習氏はゼロコロナ政策を堅持する理由として「中国は人口大国であり、高齢者が多く、地域の発展状況は均衡しておらず、医療資源も不足している。大規模感染が起きれば、重症者や死者が大量に出る」と説明。
「われわれの防疫政策は歴史の経験を経たものであり、科学的で効果がある」と述べて、2020年に新型コロナの大規模感染が最初に起きた武漢での「勝利」を取り上げ、「上海でも必ず打ち勝つことができる」と訴えた。

 中国政府は、感染者の早期発見と迅速な隔離による中国式ゼロコロナ政策を「ダイナミック(動的)ゼロコロナ」と呼んでいるが、上海などでは大規模なロックダウンが長期化し、市民の不満の高まりとともに経済への打撃も深まっている。【北京・米村耕一】
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