ドミノ・ピザはマーケティングリサーチの一環として、「架空商品」を定期的にウェブサイトに掲載している。
最近では、好みの味を4種類組み合わせられるピザ「お好きにクワトロ」が対象だった。J-CASTニュース記者が5月中旬、ドミノ・ピザのトップページから「配達注文」を選択し、受け取る住所、日時を指定すると約50あるメニューの中にこの商品があった。
商品の見せ方は他と同じで、紹介文、展開サイズ、価格が並ぶ。「詳しく見る」を押下すると、商品がポップアップされ「カートに入れる」「利用しない」の二択を迫られた。
前者を選ぶと、カート画面には遷移せず「プレゼント ポテトフライMケチャップ付き」と書かれたバナーが表示された。「お選びいただきありがとうございます。ご協力の感謝とご不便をおかけしたことへのお詫びとして今回のご注文限定で、即時ご利用可能なクーポンをご用意させていただきました」と説明しており、小さく「この商品はお客様ニーズの調査で、実際にはご注文いただけません」と注釈があった。
「お好きにクワトロ」はツイッターで注目を集めた。遭遇した客が体験を共有すると、1000以上リツイートされ議論を呼んだ。悪い印象はないとの受け止めがある一方、不快な調査手法だと感じる人も少なくなかったようだ。
実際に体験者に話を聞くと、30代の男性は「最初に『ありがとうございます』と出るので、注文に成功していると思っていたのにカートを見ると何も入っておらず、意味がわからず何度も注文を繰り返して10分以上費やしてしまった」と振り返る。状況を理解すると苛立ちを覚え、空腹だったためなおのこと強く感じたという。
結局、競合他社で注文し、以降はドミノ・ピザを利用していないと答えた。購買意欲の低下ばかりか、ブランド毀損も招いた格好だ。男性は「吟味した上で選んだものがないというのは、こちらに選び直しの手間・時間が発生してしまうので、ユーザーのことを考えた施策ではない」と指摘する。
40代の男性も「率直に不快に感じました」と苦言を呈す。「最初から『ニーズ調査』と言われて選択していたら納得できたかもしれません」とし、改善を求めている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0143486468ff4c36329becc4b3be8f04fcb9cfd3