「正露丸の会社」のダイエットサプリ広告が物議…勘違いされた他社は泣き寝入りするしか?

数か月前から、ユーチューブやSNS上で、“正露丸の会社がつくった”と謳うダイエットサプリのネット通販広告を
目にした人は多いだろう。これに対し、ツイッターなどで〈正露丸の会社とかクソ怪しい広告なんなんや〉
〈「正露丸の会社」という肩書に憎悪を抱いてしまう〉とした声が相次いだ。

そんな中、6月1日、ラッパのマークの正露丸で知られる大幸薬品が【ネット通販広告等で「正露丸の会社」が販売とされる
ダイエットサプリメント商品について】と題したプレスリリースを配信した。内容は〈弊社に多くのお客様から
お問い合わせをいただいております〉〈当該商品は、他社様の商品でございまして、弊社の製造及び販売商品でなく、
お取り扱いも致しておりません。弊社ではご質問にはお答えいたしかねます〉といったものだ。

正露丸を販売する他社のダイエットサプリに対し、大幸薬品に問い合わせが相次いで、
ネット上で同社と勘違いしたユーザーから、批判の声が上がったことへの“火消し”を行ったわけだ。

「正露丸」の名称を巡っては、1954年に大幸薬品が商標登録を申請。一度は登録されているが、
その後、裁判で「普通名称化」が認められた。現在は複数の企業が「正露丸」と称する商品を販売している。
ただし、一般消費者は、正露丸=知名度もある大幸薬品の商品とリンクするため、
今回、問い合わせも集中したようだ。良くも悪くも勘違いされた側は影響を受けてしまうが……弁護士の山口宏氏がこう言う。

「普通名称化している商品ですから、法的に正露丸を販売する会社なら『正露丸の会社』を謳っても問題はありません。
ただし、勘違いした消費者から、業務を妨害されるほどの問い合わせが相次いでしまったり、
『正露丸』自体のイメージを棄損した場合、営業妨害になったとして、
それ以外の会社が『不正競争防止法』で訴えることができる可能性も出てきます」

ただし、同業他社を相手に大事にするのもリスクだろう。普通名称化といえば、ホッチキスやメンマ、
うどんすきなどがある。企業側は“自衛”するほかないのが現実だ。
https://news.livedoor.com/article/detail/22306887/