もしワニに襲われたらどうすべきか 専門家らが対応策を伝授

挑発しない、餌をやらない、慌てない

ワニは挑発さえしなければ襲われることはめったにない、とアンドリュース氏は言う。通常、挑発するのは人間の方で、ワニではない。人がワニの尻尾をつかもうとしたり、日光浴をしているワニのクローズアップ写真を撮ろうとすると、ワニたちは動揺したり、混乱する可能性がある。

さらに悪いことに、人はワニに餌を与えようとする。餌を与えると、ワニは人と食べ物を結び付けるようになる。ワニが最も危険なのはその時、つまりワニが本来持っている人への恐怖心や無関心が消えた時だ。

(中略)

ワニに襲われた時の対処法 

ワニが水中に引きずり込もうとしているなら、自分の命を守るために全力で戦わなくてはならないとアンドリュース氏は言う。

「この場合、ワニの目を突いたり、頭蓋骨(ずがいこつ)の上部かあごの側面をたたくといい。それらは人間にとって敏感な部位だが、ワニにとっても同様だ」

水中で襲われた場合、ワニにかまれるよりも溺死(できし)の危険性の方が高い、とアンドリュース氏は指摘する。よって可能なら陸に上がること。「水中ではワニの方が上手だが、陸上では我々の方が上手だ」(アンドリュース氏)
しかし、陸上なら絶対に安全と思ってはいけない。ワニの武器は恐ろしい歯だけではない。ワニの尻尾で殴られても負傷する恐れがある。またワニは頭部を素早く横に振って激しく打ち付け、破城槌(はじょうつい)のように使うこともできる。

ワニが口を使うなら、こちらも口で対抗しよう。
「できるだけ大きな声で叫ぶこと。反撃するだけでなく、なるべく自分を大きく見せ、ワニに厄介な相手と思わせる」
近くに人がいたら、911番に緊急通報し、助けを求めるべきだとアンドリュー氏は言う。また近くに棒があったら、その棒でワニをたたいて、別の標的の存在を認識させるのもいい。

またワニに襲われている人を助けるためでも絶対に水の中に入ってはいけない。その場合の最善策は、陸上にいて、襲われている人が陸に上がるのを助けることだとアンドリュース氏は言う。
ワニの襲撃を回避するその他の方法

野生生物に関連するさまざまな機関や専門家が推奨するワニの襲撃を生き延びるヒントをいくつか紹介する。

・陸上で逃げられる場合は一直線に逃げること。ジグザグに逃げるのは危険と専門家らは指摘する。ワニは陸上でも非常に素早いが、ほんの少し突進するだけで疲れてしまう。
・ワニにがまれたら、ワニの口の奥に届く物を詰まらせ、咽頭(いんとう)反射を起こさせる
・ワニは口の中で獲物の位置を変えることがある。ワニのあごの奥が開いたら、その時が逃げるチャンスだ。
・「ワニは獲物を強力なあごで締め付け、ねじって転がす。ワニに腕をかまれたら、ワニをつかんでいっしょに転がると腕の断裂を減らせるかもしれない」とサウスカロライナ州天然資源局はアドバイスする。
・ワニにかまれたら、すぐに治療を受けること。ワニの咬傷(こうしょう)は重度の感染症を引き起こすことが多い。
しかし、これらのアドバイスは全て、あくまでアメリカアリゲーターに対する対処法だとアンドリュース氏は強調する。

https://www.cnn.co.jp/fringe/35189493.html
https://www.cnn.co.jp/storage/2022/06/24/f3be29d9bbdc7a15cf9df0fb5e6e8e6d/t/768/432/d/alligator-attack-survival-top-super-169.jpg
https://www.cnn.co.jp/storage/2022/06/25/52933bd50304c4b0a6a6bc938f014f58/t/768/432/d/alligator-attack-survival-super-169.jpg