38歳の綿矢りさはとてつもなく深みを増していた
新刊『嫌いなら呼ぶなよ』は今の彼女こその等身大

表題作「嫌いなら呼ぶなよ」は〈デビュー20周年記念作〉として発表された。かつて2012年に綿矢が『かわいそうだね?』で大江健三郎賞を受賞したとき、受賞記念対談で大江がミラン・クンデラの言葉を引き「仕事を開始するにあたって美的な計画を立てる人」とまで絶賛した、綿矢の巧みな小説構成にハッとさせられる。SNSでは「最初の1ページから最後の一文まで全部面白い」「構成から終わり方からタイトルまで完璧」との言葉が踊った、脱帽するほどのたくらみが張り巡らされた作品だ。

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