ゼレンスキーも猛抗議...なぜ国際人権団体は、「被害者」ウクライナを批判した?

<市民を「人間の盾」にしている疑惑で、アムネスティ・インターナショナルがウクライナ軍を批判。ウクライナ側からの強い反発を招いている>

ウクライナの市民団体などが、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのアニエス・カラマール事務総長の辞任を求めて請願活動を開始した。きっかけは、アムネスティが報告書でウクライナ軍を批判したことだ。

8月初旬に発表された同報告書は、ウクライナ軍が「国際法違反」の戦略を取っていると指摘。市街地に陣地を置くことで「市民を危険にさらしている」とした。これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は「侵略者から被害者に責任を転嫁しようとしている」と強く反発。次いで市民団体や慈善団体、ジャーナリストらがカラマールの辞任を求めて声を上げた。

請願書は、アムネスティが「ウクライナの人々をさらなる危険にさらす」「こうした被害者たたきは人権保護とは相反する」と批判。アムネスティ側は「ロシアの蛮行や戦争犯罪も常に報告している」「侵略行為を正当化することは決してない」と火消しに追われている。

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