ドライブ中や街中を散歩中に、非常に目立つ車があった。米テスラ社が製造販売する電気自動車(EV)テスラだ。
日本でも時々見かけるようになったが、ロサンゼルスでは「あっ、またテスラ」といった感じで走っている。ドライブ中に信号待ちした時、目の前にテスラが横に3台並んだこともあった。
テスラが売れているのは、「環境に優しい車」というイメージが大きい。ロサンゼルスで多く見かけたのは、カリフォルニア州という、環境意識のとりわけ高い土地柄のせいもあるかもしれない。
「環境に優しい車」と言えば、かつてはトヨタのハイブリッド車プリウスがその名をほしいままにしていた。
映画スターのレオナルド・ディカプリオさんがこれ見よがしに、アカデミー賞の授賞式にプリウスで乗り付けた話は有名だ。
筆者が前回ロサンゼルスに住んでいた時も、最もひんぱんに見かけた環境車がプリウスだった。しかし今回の旅行でプリウスを見かけた回数は、片手に収まる程度だった。
EVが本当に環境に優しいかどうかという議論はさておき、米最大の経済規模を持つカリフォルニア州で、
時代の最先端を行く環境車の主役がプリウスからテスラに交代していたことは、筆者にとっては、「日本株式会社」の象徴でもある自動車産業の衰退、
ひいては日本経済の凋落を強く感じる出来事だった。
https://news.yahoo.co.jp/byline/inosehijiri/20220819-00311019