悪質走行の自転車に赤切符…「徐行せず歩道走る」「右側通行」など4違反対象

 全国の警察が自転車による交通違反の取り締まりを強化している。警視庁はこれまで大半は警告で済ませてきた「徐行せずに歩道通行」「右側通行」など四つの違反で、悪質な場合に赤切符を交付する。重大な死亡事故や交通違反への苦情が後を絶たないためだ。

昨年5494件

 警視庁がほかに赤切符の対象にするのは、「信号無視」と「一時不停止」。先月、新たな取り締まり要領を各警察署に通達した。今月下旬から、東京都内の事故多発地点や通学路周辺を中心に運用を始める。

 警視庁によると、都内では年々、自転車が加害者となる事故が増え、昨年は5年前の約2・5倍の5494件に上った。今年はさらに増え、先月末時点で5507件に上り、昨年1年間を既に超えている。

 苦情も多く、警視庁には昨年、自転車関係の苦情が916件寄せられた。このうち230件は「歩道の自転車が徐行しない」「自転車の右側通行が危ない」などとして取り締まりを求めるものだった。

 昨年12月には、足立区の歩道で男子高校生の自転車が徒歩の男性(当時75歳)に衝突し、車道にはじき出された男性がトラックにはねられて死亡した。こうした重大事故では従来も違反者に刑事罰を科してきたが、今後はけが人などがなくても、具体的な危険を生じさせた悪質性があれば赤切符を交付し、刑事事件として処理する方針だ。

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