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もう「タイヤ交換」するべき? 「雪が降ってからでは遅い!」 夏から冬に衣替えはいつが適切なのか

■夏用から冬用へ交換するベストタイミングは?

クルマのタイヤは、路面状況に応じて適切な種類を選ぶ必要があり、一般的に「夏タイヤ」「冬タイヤ」と分けられています。

ではそれらのタイヤを履き替えるベストなタイミングとはいつなのでしょうか。

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毎年のように降雪する地域であれば早めのタイヤ交換が定着していますが、年に数回しか降雪しないような地域では、いざ降雪予報が出てから慌てて交換する人も少なくありません。

実際にカー用品店などでは、早めの準備として9月から10月には冬用タイヤを店頭に並べている場所もあります。

タイヤ交換の時期について、タイヤ販売店の担当者は次のように話しています。

「冬タイヤへの切り替え時期は、地域により異なります。

降雪地域では、早くて8月、9月に交換するのがよく、あまり降雪しない地域でも11月中には交換していただくことを推奨しています。

理由としては、冬タイヤを新品で利用する場合ある程度の慣らし運転が必要なことや、雪が降りはじめる頃になるとスタッドレスタイヤを購入する人が増えて品薄になる場合もあり、愛車のタイヤサイズが在庫されていない可能性もあります。

また、タイヤ販売店では少し前に購入することによって、通常よりもお得に買い換えることができることもあり、総合的に早めのタイヤ交換がおすすめです」

またユーザーのなかには「早めに冬タイヤに交換することでの摩耗」を気にする声も見受けられますが、実際はどうなのでしょうか。前述の担当者は次のように話しています。

「前述の慣らしにも関わりますが、新品の場合であれば俗に『皮むき』といわれる行為をしたほうが良いです。

皮むきとは、新品時の状態から表面のゴムを削ることで本来の性能を発揮させることを指します。

また早めに交換してドライ路面を走ることでタイヤの摩耗を気にされる人がいますが、最近の冬タイヤは耐摩耗性も向上していることもあり、そのあたりは気にしないでも問題ありません。

逆に摩耗を気にして交換しないまま突然の降雪に見舞われるほうが結果として大変になると思います」

■すり減ったタイヤを装備すると道交法違反に?

タイヤ表面には溝が刻まれていますが、当然のことながら使うたびにすり減っていきます。

新品時から50%まで溝が浅くなるとグリップ機能が低下し、運転していてもクルマを制御しづらくなり、残りが4ミリ以下になったらタイヤの寿命といわれています。

また、冬タイヤは新品から溝が50%減った時点で性能は大きく低下してしまいます。

さらに夏タイヤ・冬タイヤ問わず、タイヤは残り溝が1.6ミリになるとスリップサインと呼ばれるマークが溝の奥から現れ、これがタイヤの交換時期を見分けるポイントとなります。

スリップサインはタイヤ全周の数ヶ所に設けられていますが、1か所でもサインが出たタイヤを使い続けると制動装置等の整備不良とみなされ、道路交通違反となるので注意が必要です。

道路交通法第62条には、以下のように定められています。

「車両等の使用者その他車両の装備の整備について責任を有する者または運転者は、その装置が道路運送車両法第3章もしくはこれに基づく命令の規定または軌道法第14条もしくはっこれに基づく命令の規定に定めるところに適合しないため交通の危険を生じさせ、または他人に迷惑を及ぼすおそれがある車両等を運転させ、または運転してはならない」

整備不良として取り締まりを受けた場合、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金、さらに違反点数は2点となります。

冬用タイヤであるスタッドレスタイヤは、雪や氷に覆われた路面をグリップするために夏用タイヤよりも細かな切れ込みが入っています。

そのため、ブリヂストンでは、スタッドレスタイヤの場合は、スリップサインを待たず、溝の深さが新品の50%以下にまで減った時点での交換が推奨されています。

※ ※ ※

一方で、前出の担当者によると冬用タイヤから夏用タイヤへの交換は「3月から5月の春頃を推奨している」といいます。

安全運転のためにも、タイヤの交換時期を見分け、定期的にタイヤの整備や交換を行うように心がける必要があります。