カルテル結んだ電力3社に課徴金、過去最高の計数百億円か…違反申告の関電は免除の見通し

 事業用電気の販売を巡り、大手電力各社が競争を制限するカルテルを結んだとして、公正取引委員会は、中部電力(名古屋市)と中国電力(広島市)、九州電力(福岡市)の3社側に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)で少なくとも計数百億円の課徴金納付命令を出す方針を固めた。関係者の話でわかった。課徴金の額は過去最高になる可能性がある。

 今後3社側に処分案を伝え、意見を聞いた上で正式に処分を出す。公取委は関西電力(大阪市)もカルテルに関与したとみているが、課徴金減免(リーニエンシー)制度で最初に違反を申告したため、命令は免れる見通し。

 電力の販売は2000年以降、段階的に自由化された。関係者によると、関西電力を含む4社は18年頃から、大規模工場などが対象の「特別高圧」、中小ビルなどに向けた「高圧」の電気の販売を巡り、小売り自由化前の供給エリアを越えて新たに顧客獲得をしないよう合意したという。

 公取委は21年4月と7月、4社やその子会社への立ち入り検査を実施していた。

 課徴金は違反行為による売上高などから算出される。電力各社は事業規模が大きく、金額が膨れあがる見通し。これまでの最高額は、道路舗装工事などに使われるアスファルト合材で価格カルテルを結んだ企業8社に命じた計約398億円だった。

 中部電については、公取委が、電気とガスの販売を巡って東邦ガス(名古屋市)と談合などをしたとする疑いでも調べている。
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