身入り悪いウニを独自の養殖法で再生 新商品「はぐくむうに」を販売 岩手・洋野の北三陸ファクトリー

 岩手県洋野町の水産加工業「北三陸ファクトリー」は、身入りの悪いウニを回収して養殖した「はぐくむうに」を発売した。独自の人工飼料を開発し、商品価値のなかったウニの再生に成功。天然ものが流通しない来年1月にかけて提供する。ウニが岩場の海藻を食べ尽くす「磯焼け」の解消にもつながると期待される。

 海藻を主原料とした人工飼料は北海道大などと共同開発した。飼料を食べたウニは身入りや味、色が10週間ほどで回復する。ウニにストレスを与えない養殖かごの作製にも取り組んだ。試験販売を経て、約6年かけて生産体制を確立した。

 洋野町のほか北海道でも養殖を行っている。国内の天然ウニが流通しない12~1月の販売を予定。夏場のウニと比べ、すっきりとした甘さが特徴という。価格は40グラム3480円、100グラム7280円。同社のオンラインショップや首都圏の百貨店などで販売する。

 磯焼けは、海水温の上昇で冬場も活発化したウニが海藻の芽を食べることが一因とみられている。三陸沿岸を含む世界各地で深刻化し、身入りの悪いウニが大量発生している。
https://kahoku.news/articles/20221230khn000054.html

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https://www.kyoto-np.co.jp/articles/amp/846871