米白人歌手の「私は日本人」発言、アジア系アメリカ人記者が抱いた“嫌悪感”の正体

「私は日本人」……アメリカの白人ミュージシャン、グウェン・ステファニーの発言が
文化盗用の最たるものとして大きな波紋を呼んでいる。
(略)
グウェンは子供時代、米国ヤマハ勤務の父親が日本に頻繁に出張しており、父からの土産話によって日本に大いに憧れていたと言う。
大人になり初めて日本を訪れた際、原宿を見て感極まって「神様、私は知らなかったけれど日本人なの、と口にした」とインタビューで語った。

グウェンをインタビューしていたのはアジア系の女性記者であり、「アイム・ジャパニーズ」を
一度ならず繰り返すグウェンにえも言われぬ気持ちになったことが記事の行間から読み取れる。

記者がグウェンの言葉に違和感というより嫌悪感に近いものを抱いたのは、
グウェンが日本文化のファンであることと、自分を日本人だと主張することの違いに
まったく気づいていなかったからだろう。その背景にはアメリカの人種階層の問題がある。

グウェンは米国のマジョリティである白人であり、マイノリティの立場や心情を慮らずとも生きていける。
しかし人種マイノリティは常にマジョリティの動向に左右されてしまう。
https://bunshun.jp/articles/-/60178