1月の全国物価4・2%上昇 41年4カ月ぶり水準 2月以降鈍化も家計負担高止まり
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総務省が24日発表した1月の全国消費者物価指数(令和2年=100、生鮮食品を除く)は、前年同月比4・2%上昇の104・3と第2次石油危機でインフレになった昭和56年9月以来、41年4カ月ぶりの水準だった。
上昇率は2月以降鈍化し、年内に1%台まで低下すると指摘される。
ただ、円安や資源高に伴う輸入品価格上昇を転嫁する動きは続くため、家計の負担感は高止まりしそうだ。

上昇は17カ月連続。
輸入品の価格高騰を受け幅広い品目で価格転嫁が進んだ。
政府の旅行支援策の割引率が下がったことで、宿泊料がマイナス3・0%と前月(マイナス18・8%)から減少率が圧縮され、全体の上昇率拡大につながった。

生鮮食品を除く食料の上昇率は7・4%となり、前月と同水準だった。
食品メーカーの値上げが相次いでおり、食用油が31・7%、食パンが11・5%伸びた。

エネルギーは14・6%と前月(15・2%)に比べ鈍化した。
都市ガス代は35・2%と高い伸びが続いたものの、電気代やガソリン代などは上昇幅が縮小した。

一方、2月の指数からは政府の電気・都市ガス代の負担軽減策が反映されるため、物価の伸びは鈍化しそうだ。
農林中金総合研究所の南武志理事研究員は、2月分の上昇率は3%台前半から半ばまで減速すると予想。
国際的な原材料価格は世界経済の低迷を織り込んで既に下落基調にあり、輸入品主導の物価高は沈静化する方向にあるため、「年末までに2%割れとなる可能性がある」と指摘する。

ただ、昨年来の仕入れコスト増加に対し価格転嫁を十分できていない企業は多く、今後も食料品など生活必需品を中心に値上げが続く見通し。
疲弊した家計の負担軽減には、今年の春闘で物価上昇を上回る賃上げが実現される必要がある。(田辺裕晶)