中国の研究者が豚と猿の脳を入れ替える実験に成功

北京(AFP)- 中国の研究者たちは、世界で初めて、ブタとサルの細胞を組み合わせた動物を作り出すことに成功したと発表した。この画期的な実験は、将来的には人間の臓器移植の可能性を広げるものだという。

北京にある「幹細胞生殖生物学国家重点実験室」の研究チームは、サルの遺伝子を持った子ブタ「キメラ・ピグレット」を誕生させた。キメラとは、異なる種類の動物から作られた混成生物のことである。

研究チームは、サルの細胞を培養し、遺伝子操作で発光するようにした。その後、ブタの受精卵にサルの細胞を注入し、母ブタに移植した。10匹中2匹が出産されたが、そのうち1匹は死産だった。生き残った1匹は体重425グラムで、健康な様子だった。

キメラ・ピグレットは体全体にサル由来の細胞が分布していることが確認された。特に心臓や肝臓など主要な臓器に多く見られた。また、サル由来の細胞は発光することで容易に識別できるようになっている。

この実験は、「オーガノイド」と呼ばれる人工的な臓器や組織を動物から作り出す技術を開発する一環で行われた。オーガノイドは人間や動物から採取した幹細胞から作られるものであり、移植用や薬品試験用など様々な用途が期待されている。

しかし、このようなキメラ実験には倫理的な問題も多く存在する。例えば、人間由来の細胞が動物の脳や生殖器に影響する可能性や、動物福祉への配慮などである。また、国際的な規制やガイドラインもまだ整備されていない。

中国では2019年以降、「昆明動物研究所」が人間由来遺伝子をサル脳へ移植し認知能力向上させ成功 や、「神農基因技術公司」が世界初クローンモンキー5匹誕生させ成功 する等々画期的かつ倫理的問題提起されている実験結果報告しており注目されている。

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