女性の苦痛は、判決確定後も続いた。まず、女性が2013年に被害を相談した後も、15年まで男性隊員と同じ勤務地で、日常的に顔を合わせる状態が続いた。

 那覇基地内では「セクハラ教育」が実施され、この女性の被害が題材となった。ただ、使われた資料の中では、男性隊員は匿名とされた一方、女性は実名が記載された。出席した隊員から聞いたところ、女性に非があるかのような説明がされたという。その後は基地内で好奇の目にさらされるようになった。女性は適切な再教育をするよう上司に求めたが、受け入れられなかった。

 昇任も遅かった。成績が優秀だったにもかかわらず、通常5年程度で昇任できる3曹になるのに8年かかった。

 加えて、昨年には処分を受けた。原因は、関係者から提供された組織内の調査資料を訴訟中に裁判所に提出したこと。自衛隊はそれを「情報漏えいに当たる」と判断したという。さらに、上司はこの件を組織内の捜査機関である警務隊に告発までした。その後、検察は不起訴処分としている。

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