マグミクス 2023.03.23

2023年3月18日から公開が始まった『シン・仮面ライダー』は、初代『仮面ライダー』をリブートした作品ですが、主人公像は大きく異なります。暴力で敵をやっつける描写にも、その違いがあらわれています。

仮面ライダー1号、2号が登場するリブート作
 2023年3月17日より、庵野秀明監督・脚本による実写映画『シン・仮面ライダー』の劇場公開が始まりました。1971年4月からTV放映がスタートした、石ノ森章太郎原作の特撮ドラマ『仮面ライダー』をリブートした作品です。

 主人公である仮面ライダー1号こと本郷猛を池松壮亮さん、ヒロインとなる緑川ルリ子を浜辺美波さん、仮面ライダー2号となる一文字隼人を柄本佑さんが演じています。西野七瀬さん、森山未來さんらの他にも、豪華キャストが意外な役で出演していることでも話題となっています。

 3月17日から19日の3日間の興収は5億5500万円で、興収ランキング2位でのスタートとなりました。3月18日からは全国公開となり、これから数字を伸ばしていきそうです。すでに作品を鑑賞した人たちの声がネットに上がり、賛否両論となっています。ネタバレなしで、『シン・仮面ライダー』の見どころを紹介したいと思います。

「ショッカー」は愛の秘密結社だった!?
 怪獣映画の金字塔『ゴジラ』(1954年)のリブート作『シン・ゴジラ』(2016年)を大ヒットさせた庵野監督らしく、『シン・仮面ライダー』もさまざまな新解釈によって再構築されています。秘密結社「SHOCKER」が放つ怪人たちは「オーグメント」と呼ばれ、新しいデザインとなった蜘蛛男こと「クモオーグ」、蝙蝠男こと「コウモリオーグ」、蜂女こと「ハチオーグ」らが、「バッタオーグ」である仮面ライダーと死闘を繰り広げることになります。

 旧仮面ライダーは風という自然の力を利用して変身しましたが、シン・仮面ライダーは「プラーナ」という生命エネルギーを吸収増幅させることで変身します。「プラーナ」はインド哲学では「呼吸」や「気」を意味する言葉です。

 さらにユニークなのは、「SHOCKER」の正式名称です。「Sustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling」、つまり「持続可能な幸福を目指す秘密結社」ということです。もともとは悪の組織ではなく、人類に幸福をもたらすことを目的にした組織だったのです。

 しかし、人類を幸福にするという「SHOCKER」の考え方は次第に先鋭化し、人類全員をあの世に送る「ハビタット計画」を実行するに至ります。この「ハビタット計画」を阻止するために、仮面ライダーは闘うのでした。

 人類の平和を願うあまりに極端な考えに振り切ってしまうところは、庵野監督の人気アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』で描かれた「人類補完計画」に通じるものを感じさせます。

※続きはリンク先で
https://magmix.jp/post/145505
映画『シン・仮面ライダー』ポスタービジュアル (C)石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会
https://i.imgur.com/gNrp3Dg.jpg