ゆうパック料金、秋に値上げへ 郵政社長「価格転嫁は直接関係ない」

日本郵政の増田寛也社長は4日の記者会見で、ゆうパックの料金を今秋に引き上げると明らかにした。
値上げは消費税増税の影響を除くと、2018年3月以来5年ぶり。燃料費の高騰などを受けた価格転嫁をめぐり、下請け業者から不満や厳しい意見が出ていた。

増田氏は「料金引き上げは前から内々に考えていた。価格転嫁を考えて料金を引き上げる思考ではない」と述べ、
今回の値上げは下請けのコスト負担増と直接は関係ないと強調した。値上げ幅は今後詰める。
手紙やはがきの郵便料金も24年度以降の値上げを検討する。

ゆうパックを扱う日本郵便は、2月公表の中小企業庁の調査結果で、価格転嫁が「最低」と評価された。
朝日新聞の取材でも、下請けから「価格の引き上げを頼んでも断られた」との証言が相次いだ。
年末や夏の繁忙手当を削られ、「実質的な値下げ」と訴える業者もいた。
ゆうパックは18年3月に「人件費の上昇」などを理由に値上げしたが、下請けへの配分は小さかったとみられる。

日本郵便は過去の下請けからの要望実態を2月末までに調査すると表明していたが、増田氏は「来週には状況を公表する」と説明した。

宅配大手では佐川急便とヤマト運輸も今月初めから宅配便運賃を平均1割ほど値上げした。
燃料費や人件費のコスト上昇に対応し、ドライバーの待遇改善にもつなげる狙い。
ゆうパックは2社との競争にさらされ、22年4〜12月期の取扱数量が2期連続で縮小するなど苦戦が続いている。

値上げに動く主要な宅配便
クロネコヤマト(3日に値上げ)

※いずれも60サイズ/100サイズ。関東から関西に送った場合の料金

1040円→1060円/1500円→1650円

佐川急便(1日に値上げ)

880円→970円  /1496円→1610円

日本郵便(秋に値上げ)

970円→  ?   /1440円→  ?  
https://www.asahi.com/articles/ASR445KJWR44ULFA00P.html