「町内会、退会したい」に反響さまざま…非加入者はゴミ捨て禁止の地域も

町内会や自治会など地域に根差したコミュニティー活動は、住民の親睦や防犯・防災などに役立つものとされてきました。でも、コロナ禍を契機に様子が変わってきたようです。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、親の代を含め5回も町内会役員を経験した女性から「町内会を退会したい」という投稿が寄せられています。これからの町内会・自治会のあり方について、専門家に聞いてみました。

「町内会 退会して困ったことありますか?」のタイトルで投稿してきたのは50代後半の女性「カフェオレ」さん。ずっと同じ土地で暮らし続け、結婚し、子育てをしてきました。これまで母親の代を含め、5回も町内会の役員を経験しましたが、父親は他界し、母親は老人ホームに入居、子どもも家を離れて、今は夫と二人暮らし。町内会から退会を考えるようになったそうです。

「住民も相当、入れ代わりました。今は高齢者と若い世代の考え方が二極分化していて、とくに若い人たちとは考えが合いません」と退会の理由をつづるトピ主さん。「うちの(町内会の)場合、ゴミは戸別収集、ビンは拠点のところですし、退会して困ることと言えば、昔からの住民の方の訃報(ふほう)がわからないことですかね。でも、今は家族葬にして、亡くなられてもご家族が町内会に知らせない方もおられて、近所の人の話であとから知ったということもあります」と説明し、「退会された方、何か困ったことありましたか」と発言小町で問いかけました。

この投稿には、50件を超す反響(レス)があり、「エール」マークも500回以上押されています。

「退会してないけれど」と書いてきたのは、東京都内に住む「匿名希望」さん。「もともと町内会の活動が盛んな地域でしたが、コロナで丸3年、活動がありません。町ぐるみ清掃イベントも町会誌の発行もないし、歳末募金もない。何もないけれど、何も困りませんねえ」とコメントしています。

回覧板をまわす手間が煩わしくて自治会を退会した「ゆうな」さんも「何も困らない」といいます。「わが家は子どもがいないのに、子ども会の役員が回ってくると聞いて退会しました。仕事で忙しいのに、よそさまの子のために役員はしたくないのが本音です」とも。

いったん役員を引き受けてしまったために、後任に引き継ぐことができずに困っているという声もありました。「わが家の場合、役割分担を決める場に隣近所の方が来ず。その場にいる人のみで決めることになったのですが、その後も改選はなく、一度やったら『永遠』にやる羽目になっています」(「hokutin」さん)、「私自身、現在役員で、『ラインによる連絡・通知』『決算報告集会なし』をコロナに乗じて推進しました。でも、町内は高齢化率が高いです。そのため交代要員がおらず、何年も役員が続きます。もう嫌っ!」(「ぱ」さん)

非加入の世帯が増え、ゴミ出しについて新たなルール作りをするところもあるようです。

「今年から、自治会非加入者は地域のゴミステーションへの日常のゴミ捨てが禁止になります。年間5000円支払えば捨てても良いそうですが、誰が管理するんでしょうか? 24時間管理もできないし、どうするつもりなのかなー。自治会の役員をしなくていいので5000円(自治会費は4800円)払ってもマシかなって感じです。自治会員が減っているので増員したいようですが、こんなんで増えないでしょ」(「yukiko」さん)

一方、防犯・防災面で力を入れている自治会もあります。

「うちの自治会では、自治会館に防災倉庫があって、トイレや食事、飲み物、毛布などがあり、定期的に取り替えています。公衆電話も会館横に設置したし、緑地の伐採管理、不法投棄、不審者パトロール、信号機や街灯の設置。自治会員の名簿は、災害時に行方不明者として見つけてもらうためにあります。そこら辺全部が自治会の管理です。今の議題は防犯カメラ、防災無線、井戸設置です。自分が役員をやるまで、こんなに自分たちを守るための活動なんだと恥ずかしながら知りませんでした」(「りーず」さん)

災害時の対応を巡っては正反対のコメントも。

「町内会に入っていない人には備蓄物資は渡さないなんて、ボランティアの風上にも置けないと思います。人を選ぶならそんな組織は潰せと思います」(「ぽたん」さん)

「退会したのに、被災時は備蓄物資を利用する人多数。結局、まじめにやった人が損するシステムで、タダ乗りしてる人が得するシステムかなと思います」(「匿名」さん)

加入者と非加入者との間の溝は深いようです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2e01d5d11577cebb46b24d6927f4021293beb9fd