夫婦で育休1カ月、保育園「退園」を通知された理由

福岡県春日市では、親1人が育児休業を取得した場合、生まれた子が1歳になる年度末まで在園児は保育園を継続利用できるものの、
両親が同時取得した場合は退園させる運用だ。
3月の市議会。実際に短期間のみ同時取得した世帯に、市側が退園を求めたケースが取り上げられた。
どのような経緯だったのか―。

3月13日にあった一般質問での答弁などによると、昨年11月から約1カ月間、市内の夫婦が第2子誕生を受け、育休を同時取得。
夫が復職した後、別の書類を提出した際、市側が同時取得を把握したという。
この時点では保育の必要性が生じていたが、2月に「退園通知を出す」と夫婦に連絡があった。

夫婦は驚いて市役所を訪ね、説明や部内での再協議を求めたが、結論は変わらず。
夫婦が市議や弁護士に相談したり市長に手紙を書いたりした末に、市は退園を取り消した。

市担当部長は市議会で「顧問弁護士に相談し、『保育が必要になった現状を考えると法的に難しいのでは』という見解だった」と説明。
「個別検討事案として対応を改めた」と、あくまで“特別扱い”との考えだ。

両親が育休を同時取得した場合には「保育の必要性がなくなり、家庭での保育が可能」、
「待機児童がいる実情を踏まえて、優先度の高い児童が入れるように退園を求める」。春日市こども未来課の言い分だ。

一方で、保護者の育休が終わった時点で、退園した子どもの入所申し込みはできるが、
確実に入れるかどうかは約束できないという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c5a48cc95492aa43f8feb4cddda4f862a38a8178