日本がこの30年間伸びて来なかった理由はなんだと思うかと、益学長に聞いてみた。

「一言で言うと“ゆでガエル(状況の変化が緩やかだと、それに気づかず致命的な状況に陥る)”だったのかなあ。

日本ってそこそこのマーケットサイズを持っているから、ずっと変わらなくても生きていける国だったんだよね。でもこれって難しくて、それはそれでいいじゃないかという考えもあるかもしれない。でも、いつかはゆで上がってしまう。

でもね、残念ながら世界は大きく変化していて、新規な科学技術分野開拓、研究手法や、社会構造など様々なことをやっていたんだよね。その一方で、日本はそこそこでいいと思い続けたのが30年。なんでそうなったかっていうと、日本ってその間そもそも“挑戦したことがなかった国”だから。

2020年にコロナ禍の出口が見えない時に『コロナ敗戦』という言葉が出て、ふと75年前の1945年、さらにその前の75年を考えた。

1870年(1868年は明治維新)以来、黒船来航以来、極論すると自分たちで主体的に何かをしようとした国じゃないんだよ。『ジャパン・アズ・ナンバーワン』って、なんか俺たち頑張って世界を席巻できると思ったのにバブルが崩壊して、どうしようという時に、どうしないといけないって主体的なことを考えられなかった。

そこを僕らは、もう一回考え直さなきゃいけないんじゃないの、という気はしています」

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