“ハンコ離れ”進むなか…“外国人向け”5倍以上に増加「圧倒的人気の漢字は…」

デジタル化で、いわゆる“ハンコ離れ”が進むなか、ある老舗店では外国人のハンコにあえて漢字を活用するユニークな商品で訪日観光客から人気を集めています。

■外国人“当て字”ハンコの背景に…ハンコ離れ

 ハンコに掘られた3つの漢字。「美しい」に安心の「安」佳境の「佳」、これは何と読むのでしょうか?

 答えは「ビアンカ」。外国人の名前に漢字をあてています。

 ハンコにはアルファベットと、音の響きで選んだ漢字の両方が彫られています。購入客の半分以上は外国人です。サービスを始めたのは100年以上続く老舗ハンコ店の3代目。

 文福堂3代目店主 松崎文一さん:「そのお客さんが国に持ち帰って、アルファベットがあることによって、これはあなたのハンコだ、あなたが日本で買ってきたお土産なのということが分かる」

 松崎さんがこのサービスを始めたきっかけは、日本人の“ハンコ離れ”でした。

■わずか1時間でハンコ完成!漢字の意味も解説

 そんななか増え続けている外国人観光客。松崎さんはインバウンド需要に目を付けました。

 外国人客向けに、漢字を当てたハンコを売り出すと、これがヒット。2年前と比べ、外国人向けハンコの注文は5倍以上増えているといいます。人気の理由をこう話します。

 松崎さん:「やはり一つは日本的なものということと、漢字がすごく彼らにとってはミステリアスで面白いということ」

 実際に、作ってもらいました。

 番組スタッフ:「私の友人のオリバー・ジョンソン(アメリカ人)あてに、お土産用に」

 松崎さん:「良いですね」

 リストから名前の響きに合った漢字を選び、一文字一文字意味を説明しながら一緒に組み合わせます。

 松崎さん:「やはり外国の方に圧倒的に人気がある『り』という字は、これ(理)です。理由とか正義とか真実とか」

 注文からわずか1時間で、オリジナルのハンコが完成。外国人に人気の筆で描いたような書体でダイナミックな出来上がりです。

 ハンコと一緒に、選んだ漢字の意味が英語で書かれた紙も渡されます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8446943b2dd61a54fa5ea44f998183a8ef8be0f6