
【ワシントン=大内清】ロシアに対する反攻作戦を進める
ウクライナへの支援に関する米国内の世論調査で
「議会は追加支援を認めるべきではない」との回答が55%に上ることが
今月、明らかになり、衝撃を広げている。
特に共和党支持者は71%が追加支援に「反対」しており、「賛成」が62%だった民主党支持者との意識の差が鮮明となった。
調査はCNNテレビなどが実施し4日に公表した。
ロシアの軍事行動を阻止するために「米国はもっとするべきことがあると思うか」との問いでは、民主支持者の61%が「そう思う」
としたのに対し、共和支持者の59%が「もう十分だ」と回答。
より積極的な役割を支持する人は全体で48%にとどまった。
ウクライナ侵攻が始まった直後の昨年2月に行われた調査では、
同じ質問に全体の62%が「そう思う」と答えており、この約1年半で世論に大きな変化が生じたことが示された。
ロシアの侵略が国際秩序の原則を大きく揺るがす中、
民主党のバイデン政権はウクライナに「必要な限りの支援を行う」として国際社会をリード。米議会もその方針をおおむね超党派で支持してきた。
しかし共和党では、2024年大統領選に向けた候補者指名争いで首位を独走するトランプ前大統領が、
プーチン露大統領を「天才」「頭がいい」などと称賛してきたほか、最近ではロシアによるウクライナ東・南部の占領固定化につながりかねない
「即時停戦」を主張。これを受けてトランプ氏に近い同党の保守強硬派が勢いづき、ウクライナ追加支援への反対論を強めている。
同党で反トランプ派のキンジンガー前下院議員はCNN(電子版)
への寄稿で、反攻作戦が難航していることへのいらだちに加え、
ウクライナの主権や国際秩序を軽視する「トランプ効果」が支持者の心情に影響していると分析した。
https://www.sankei.com/article/20230809-3MSDG3JA5NI5JEG6F3DSWJGGZA/