8月上旬、編集部に1通のメールが届いた。

【写真】アニメの“はまじ”まんまだった、実在モデルの浜崎憲孝さん

《貴誌が度々取材をされた、漫画『ちびまる子ちゃん』の登場人物である『はまじ』のモデルの浜崎憲孝氏が、自宅アパートでお亡くなりになったようです》

 今も変わらず国民的アニメである『ちびまる子ちゃん』は、原作者・さくらももこさんが地元・静岡市清水区で過ごした小学校時代の思い出が基となっている。そのため漫画内では、浜崎さんと同姓同名のキャラクターが主要人物のひとりとして登場する。週刊女性は、さくらさんとの思い出や、『ちびまる子ちゃん』のウラ話などを浜崎さんに取材していた。

 2022年2月に取材した後には、記事が配信されてさまざま反響があったこと、2002年に出版された浜崎さんの著書『僕、はまじ』(彩図社)が文庫化される予定であると、弾んだ声で報告してくれたことが忘れられない。2022年5月には、直筆の手紙が添えられ文庫化された浜崎さんの著書が届いた。

 記者がLINEで感謝を伝えたところ、

《取材をしてほしいというわけでなく、純粋に記者さんに読んでほしいと思って送りました。まるちゃんファンの奥さんと一緒に読んでください。清水にいらしたときは、いろいろと案内します》

 と、返事をくれた。取材中、記者の妻が大の『ちびまる子ちゃん』ファンだと伝えていたことを覚えていて送ってくれたようだった。

浜崎さんの携帯電話は繋がらず
 そんな気遣いをしてくれる浜崎さんが亡くなったとする冒頭のメールを読んだ記者は、信じられず即座に浜崎さんの携帯に電話をしたが「電源が入っていない」という無機質なアナウンスが流れるだけ。

 きっと何かの間違いだろう。そう願い、8月15日に静岡へと向かった。くしくも、この日はさくらさんの6回目の命日だった――。

 取材時に聞いていた情報を基に、静岡市内にある浜崎さんが住んでいたマンションを訪ねたが、インターホンを押しても反応はない。ポストには、郵便物が積み重なったままだった。

 そこで隣の部屋に住む90代の女性に話を聞くと、

「浜ちゃんは亡くなりました」

 その言葉に記者が絶句していると、女性はこう話を続けた。

「あるときから浜ちゃんの姿をパッタリ見かけなくなったんです。ひとり暮らしだったから、何かあったのかと心配で玄関前から“浜ちゃ〜ん、いるの〜?”って声をかけてドアポストをのぞいたら異臭がしたの。それで警察に連絡して、警察官が中に入って確認すると亡くなっていたんです……。それが、3か月前のことでした」(隣の部屋に住む女性、以下同)

 そして、こんな思いを語る。

「浜ちゃんは、電話などの家電の調子が悪いときも頼んだらすぐに直してくれたし、“おばちゃんは人を信じすぎなんだよ。悪いヤツにだまされるから気をつけなきゃダメだぞ”って、いつも私のことを心配して気にかけてくれていました。優しい人だったんです。何で私より先にいなくなっちゃうのかな……。もっと浜ちゃんと話がしたかったよ」

 女性は、そう静かに語ると、うつむいた。

浜崎さんと『花屋のとくちゃん』との最後の会話https://news.livedoor.com/article/detail/24833780/