長時間労働は悪なのか、若手社員ほど残業時間が少ない日本(All About) - Yahoo!ニュース
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突然だが、皆さんの職場では最近こんな若手社員が増えていないだろうか。

先輩社員や上司がまだバリバリに残業をしているにもかかわらず、自分の仕事が終わったということで、「お先に失礼します」と言って、サッサッと退社をしてしまう若手だ。


「分かる分かる、うちのオフィスも20代は18~19時にはみんないなくなって、21時くらいまでいるのは30~40代だよ」なんて感じで激しく同意をする人も多いのではないか。実際、8月17日付の『日本経済新聞』にもこの現象を裏付けるような記事もある。

同記事は総務省が発表している「労働力調査」を基にまとめたもので、男性の1人当たりの年間就業時間を2022年と2013年で比べると、25~34歳は8.6%減ったのに対し、45~54歳は5.7%減だったという。つまり、若手ほど定時で帰って、管理職世代ほどまだ残業をしているというのだ。

では、なぜこんな「世代間ギャップ」が浮かび上がっているのか。よく言われるのは「長時間労働」に対するアレルギーの違いだ。

◆今の若手社員と30~50代が新入社員だった頃の違い
今の若手社員が学生だった頃、新入社員が長時間労働やパワハラで過労死や自殺をするという痛ましい事件が続発して、「ブラック企業」という言葉が世にあふれて社会問題化した。そこで2019年4月から大企業、2020年4月から中小企業を対象に年間の時間外労働を原則360時間以内とする上限規制ができた。

しかし、今の30~50代は違う。新人だった頃は、長時間労働とパワハラは「通過儀礼」みたいなもので、誰もが1度は通らなくてはいけないほどありふれたものだった。

自分の仕事が終わっても、若手は仕事を早く覚えるために先輩や上司に「何か手伝いますか」と聞いて回ると「見込みがあるヤツだ」なんて言われた。業種によっては上司や先輩よりも先にオフィスを後にするなど「言語道断」ということもあり、若手は合コンや飲み会をした後でも、とりあえずオフィスに戻って、大した仕事がなくても周囲に「仕事してますよアピール」をするなんてこともあった。

つまり、今の若手社員にとって長時間労働は「悪」だが、30~50代のベテラン社員からすれば長時間労働はあまり褒められたものじゃないけれど組織で生きていくためには受け入れないといけない「必要悪」という認識だ。このギャップが、そのまま労働時間の長さに反映されているというワケだ。