宮崎県は、新型コロナ禍で落ち込んだ県民のパスポート所有率を引き上げ、宮崎空港の国際線利用につなげるための支援に乗り出す。
パスポート取得費の一部を県が助成する形で、宮崎空港を利用する旅行代に還元する仕組みだ。9月27日に再開されるソウルとの定期路線から適用される。

県はすでに、18歳未満の子どもや26歳未満の学生を対象に、パスポート取得費の助成制度を設けている。
5年用は取得費の全額を、10年用の場合は取得費1万6千円のうち1万1千円を助成している。今回は、この対象を全県民に広げる。

条件はパスポートを取得した上で、宮崎空港の国際線を利用すること。旅行商品を旅行会社で購入する際は、助成額分が割り引かれる。
個人が直接、航空券を購入する場合も、申請すれば後日、助成額分が戻る。今年1月以降にパスポートを取得したことが証明できれば助成は受けられるという。

宮崎空港ではコロナ禍前、アシアナ航空のソウル線とチャイナエアラインの台北線が定期運航していた。しかし、2020年3月までにいずれも運休となった。
県民のパスポート所有率も19年末は12・4%だったが、更新しない人が増えたこともあり、22年末には8・5%に落ち込んだ。

今回の助成は、パスポート所有率をコロナ禍前に戻すことを目安に、年度内に5500人程度の利用を想定している。
ソウル線が再開することで、県内には、海外からの旅行需要による景気浮揚などへの期待が高まっている。だが、国際定期路線を安定的に運航するには、宮崎空港発の乗客の確保が大事になる。

県総合交通課の担当者は「パスポートの所有率が低いままでは、国際線の定期便の利用率も上がらない。助成制度を旅行費用の足しにして、定期路線を使ってほしい」と話す。


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