日本人は「睡眠不足」 女性の4割が睡眠6時間未満 先進国で最下位

 9月3日は関係団体が定める「秋の睡眠の日」。経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本は先進国の中で、睡眠時間が最も少ない。来年度から睡眠時間を増やす厚生労働省の計画も始まる。

OECDによる2021年版の調査では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、33カ国の中で最も短かった。

 寝床にいる時間と実際に寝ていた時間が区別されていない点には注意が必要な調査だが、最も長い南アフリカは9時間13分、平均でも8時間28分で、日本の睡眠時間の短さが際立つ。

 厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合は、男性が37・5%、女性は40・6%となっている。

■専門家「睡眠量の確保を」

 筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史・機構長は、「十分な睡眠時間は人によって異なるが、20代後半以降であれば6~8時間が必要だ。睡眠は量を確保することが第一歩になる」と指摘する。

 「日中眠いことを当たり前と思っている人が多いが、居眠りをしたり、仮眠をとらざるをえなかったりする状況は、明らかに睡眠不足だ」と話す。

 厚労省の調査では、ほぼすべての世代で「睡眠による休養が十分に取れていない人」の割合が増える傾向にある。睡眠で休養を「あまりとれていない」「まったくとれていない」と答えた人の割合は、30代では33・4%に上る。

 厚労省は来年度から2032年度までの「健康日本21」計画で、睡眠で休養がとれている人の割合を19年の78・3%から80%へ、睡眠時間が6~9時間(60歳以上については6~8時間)の人の割合を54・5%から60%にする目標を設定した。自治体、保健関係者や国民の取り組みを促す。

 柳沢教授は「日本人の睡眠についての考えは世界に比べて周回遅れ。睡眠を専門とする医師も足りていない」と指摘。「睡眠時間をあらかじめ確保したうえで、仕事や趣味の時間を考えてほしい」と話す。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e9255f81cbadb4ee93fab69571243d65620dec5b