屋号とブランド名が違う会社の魅力。 [911289614]
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【大前研一のニュース時評】ユニクロ、ドン・キホーテが抱える意外な問題 社名とブランド名の世界統一化が失敗すると…日本企業のトラウマと葛藤（1/3ページ） - zakzak：夕刊フジ公式サイト
https://www.zakzak.co.jp/article/20230903-NIYBDCK7NZKW7OWPH5HY42JHPA/ 私が学長を務めるＢＢＴ（ビジネス・ブレークスルー）大学の学生から、次のような質問があった。
「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス（ＰＰＨＤ）とドン・キホーテ、ファーストリテイリングとユニクロのように企業名とブランド名が異なるケース、企業名とブランド名を同じにするケースがあります。どういう場合に同じに、どういう場合に別にするのが適しているのでしょうか」
これはすべてのケースで同じにするべきだ。グローバルな企業の場合、それが違っていたらエライことになる。
かつて日産自動車は、米国では例えば、「ダットサン・ブルーバードＵ２０００ＧＴ」のように、ダットサンの名でクルマを売っていた。米国ではダットサンＺのおかげでイメージがすごくいい。ところが日本では、ダットサンは軍用トラックから始まったピックアップトラックというイメージだった。
石原俊さんが日産の社長当時、米国で名刺を出したとき、「オタクは何をする会社ですか」と聞かれ、「ダットサンを売ってます」と言うと、初めて「ああ、いいクルマですね」と認めてもらった経験がある。
石原さんは「何だ、この野郎！」とばかりに、米国市場では「ニッサン」よりも何倍も認知度が高かった「ダットサン」を１９８１年から順次廃止させた。ただ、この巨額の投資をした統一ブランド変更は失敗し、その後、ニッサンは米国でトヨタに大きく水をあけられ、ホンダにも抜かれてしまった。ホンダは最初からホンダにしていた。 ブランド変更から約１０年後の米国における調査で、「ダットサンとニッサンは違う会社です」とする人は３分の１。「ニッサンという会社は知りません」とする人が３分の１。で、「ダットサンがニッサンに代わったことを知っています」が３分の１。結局、何百億円もの広報予算を使って、この程度だった。
一方、ソニーの創業者の１人、盛田昭夫さんは賢い人で、東京通信工業としてトランジスタラジオを作っていた頃からわかりやすい４文字の「ＳＯＮＹ」に替えた。
松下電器産業の場合は、国内向けのブランドの「ナショナル」を米国でも登録しようとしたら、「ナショナルは形容詞だ。下は何なんだ？ ナショナル・スティールか？ ナショナル・レンタカーか？ ナショナルキャッシュレジスターＮＣＲか？」と言われ、「エッ！？」となって、「ＰＡＮＡＳＯＮＩＣ」とした。しかしその後も欧州、アジア、日本でバラバラなブランドネームを使っていたが、２００８年になってついに社名もブランド名もパナソニックに統一した。
ということで、社名とブランド名が違うとムチャクチャ大変だ。私は日本企業のトラウマ、悩み、葛藤を嫌というほど見ている。とにかくコーポレートブランドと社名は一致させることが大鉄則。
ちなみに、メルセデス・ベンツについて、ドイツ人はだいたい前身になった企業名の「ダイムラー」と呼ぶ。米国では「メルセデス」と言う。日本は「ベンツ」。これ、普通なら混乱するところだが、丸の中に３方向の星のような形状のスリーポインテッドスターというロゴが一致している。視認性の高いマークで見る人が勝手に〝別々な名前を発声〟しているので助かっている。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
