
アメリカで2021年、スキューバダイビングをしていた7歳と9歳の姉弟が死亡した。姉弟が使っていた呼吸用タンクには、酸素ではなくヘリウムが充填されており、姉弟は水中で意識を失ってしまったという。
事故から2年以上経ったが、姉弟の母親は地域コミュニティのサポートにより悲しみを乗り越えようとしていることを英ニュースメディア『Metro』などが報じた。
事故が発生したのは、2021年4月23日のことだった。米フロリダ州パーム・ビーチ在住のスージー・ドゥーダスさん(Suzie Dudas、46)の娘ゼイルちゃん(Zale、9)と
息子サクソン君(Saxon、7)は、放課後に友人の家のプールを訪れることになっていた。
スージーさんの元夫で、ゼイルちゃんとサクソン君の父親でもあるロドニー・ネアンさん(Rodney Nairne)が迎えに来て、スキューバダイビングを楽しむことになった。
友人の家に用意されていた呼吸用タンクを担ぎ、ゼイルちゃんとサクソン君は水の中に飛び込んだ。
通常、一般的に酸素ボンベと呼ばれている呼吸用タンクには、普通の空気が圧縮して詰められており、空気の組成と同様に酸素だけでなく窒素や微量のヘリウムなどが含まれている。
しかし2人が使っていたボンベに酸素はなく、ヘリウムのみが充填されており、気付かずにヘリウムを吸った2人は水中で意識を失ってしまった。
プロのスキューバダイバーであるロドニーさんは、プールの底で動かない2人に気付き、すぐに飛び込んで2人を引き上げた。
その場にいなかったスージーさんはロドニーさんから連絡を受けたそうで、「電話に出た時、元夫が電話の向こうで『心肺蘇生を開始しろ!』と叫んでいました。
私は電話を切り、子どもたちが遊びに行った家に電話をかけて、『子どもたちが溺れているの。911(緊急通報用電話番号)に通報して!』と伝えて車を走らせました」と緊迫した当時を振り返る。
ゼイルちゃんとサクソン君はその場で心肺蘇生を受け、近くの病院「Cleveland Clinic」に搬送された。病院スタッフらが懸命に治療を行ったものの、ゼイルちゃんとサクソン君は4日後の27日に息を引き取った。
スージーさんは、「分かってはいても、事実を受け入れたくありませんでした。子どもたちの瞳孔が開いたままの変わり果てた姿を見て、現実とは思えませんでした。この動揺や怒り、不信感を言葉にはできません。
子どもたちのそばにいなかったことや、事故が起きてしまったこと、水着を着るのを手伝ったことなどへの罪悪感でいっぱいです」とコメントしている。
この件に関して、フロリダ州検事局は地元のマーティン郡保安官事務所による捜査結果を検討した結果、昨年5月に “胸が張り裂けそうなほどの悲劇”としながらも、起訴はしないと結論付けた。
スージーさんは、「なぜ呼吸用タンクの確認が行われなかったのか分かりません」と捜査の結論に納得しておらず、再捜査を求める活動を行っている。
(以下ソースに続く)
https://article.yahoo.co.jp/detail/5f552c01c40bf136e664c0f6900876114b8d4473