300 Green St., New York, NY 10023 U.S.A.

 まず番地があり、次に通りの名前、市、州と来て、最後に国名というのが普通です。日本と米国ではさまざまなものが逆になることが多いのですが、住所はその典型です。この違いは、多分それぞれの世界観、セルフイメージと関係しているのではないでしょうか。

 自分を取り巻く大きな存在から書きはじめ、だんだん自分に近いところを示して、最後に自分の名前を書くと落ち着くのが日本人。反対に、まず自分の名前を書き、次に番地のような細かいところ、最後に州名といった順番で、外に向かって書いていくのが、自我というものを強く意識する欧米流、少なくとも米国のやり方です。

 これは住所だけでなく、会社のポジションの書き方でも同じです。海外の会社の人と会って、名刺を交換すると、たいてい次のように書いてあります(架空の名前、社名です)。

Mark Smith

Production Manager

Global IT Promotions, Inc.

 このように書くことが自然だと思えるのは、まず自分がいて、その次に職務があり、その次に会社が来るという、まず自分ありきという世界観があるからだといえます。これは非常に大きなテーマで、日本人と欧米人の間にある根本的なセルフイメージの違いを象徴しているようです。

日本とは違う、住所の書き方に現れる英語圏の世界観:ビジネス英語の歩き方(1/2 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン
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