愛知県警は9日、中部空港(常滑市)に隣接する中部空港署について、地盤沈下が原因とみられる建物の損傷や傾きなどが確認されたため、来年春をめどに空港ターミナルビルに一時移転すると明らかにした。地盤改良工事ができるかどうか不明で、県警は庁舎の建て替えも検討している。

 同署は2005年に約21億円をかけて整備され、06年以降に庁舎外壁や給水管の破損、周辺の段差などが相次いで見つかった。専門機関の調査で、庁舎が立つ地盤が沈下した影響とみられることが判明。わずかに庁舎の傾きも確認され、県警施設課は「南海トラフ地震などが起きれば傾きが大きくなる恐れもあり、災害時の拠点活用は困難」と移転理由を説明する。

 中部空港島は埋め立てで整備されたが、中部国際空港会社によると、空港のターミナルビルや滑走路などでは目立った損傷などは確認されていない。県警は、来年春に同署を空港第2ターミナルビルの空きスペースに一時移転させ、今後の対応を検討するとしている。

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