こうした現状は、「頭の固い政治家のおじさんたちが反対しているから」でしょうか。

 私はそれだけとは思いません。日々、大学で若者と接している経験から、彼ら若い層にも、意外にもオールドタイプな価値観が蔓延しているのに驚かされてきたからです。

 彼らは「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代で、世界中の情報に瞬時にアクセスする手段を持っています。実際に時間さえあれば、すぐにスマホ片手にスクロールしている姿を、大学のそこかしこで目にします。しかし、そんな彼らと話してみると、特に「結婚観」や「家族観」については、驚くほど保守的な“日本的結婚観・家族観”を持っていることに気づかされます。

 要するに、他人が新しい価値観を持って、それを実践しても構わない。しかし、自分は昔ながらの結婚をしたい、というのが本音です。

 女子学生なら「ある程度の年収の男性と結婚して、専業主婦になりたい」、「自分も働いてもいいが、ある程度の生活の質を確保するために、男性にもそこそこの収入を望みたい」「結婚当初は賃貸でもいいが、いずれはマイホームを買って暮らしたい」「子どもは2人、なおかつペットと共に生活したい」「夫の定年退職後はあくせくせず、趣味の時間をたくさん持ちたい」。

https://news.yahoo.co.jp/articles/79389094a0fe644391974f4dd6c820d304ede7a0