機能性表示食品制度は15年4月から始まった制度。企業の責任で、商品パッケージに機能性を表示することができるもので、消費者庁に届け出られた食品です。

 それ以前からあった「特定保健用食品」(トクホ)は、食品ごとに食品の有効性や安全性について国の審査を受け、許可を受ける必要があります。

 安倍晋三首相(当時)は13年の「成長戦略第3弾スピーチ」で、「健康食品の機能性表示を解禁する」と宣言しました。トクホでは「お金も時間もかかる」ので、国に届け出るだけでよい制度をつくるというのです。安倍氏は機能性表示食品制度の導入を「世界で一番企業が活躍しやすい国の実現」と位置付けました。国民の利益より経済優先で導入された形です。

 中村さんは指摘します。「今回の問題の根底には、機能性表示食品という、トクホよりもゆるい基準で健康食品市場を広げる仕組みをつくったことにあるのではないか」

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2024-03-30/2024033001_01_0.html